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理科の話

氷に食塩を入れると、-20℃も温度が下がるのはなぜ

この実験は小学校でやりましたよね。とても不思議に思えた実験でしたね。どうしてそのようになるのか、少しだけ理解を進めていきましょう。

氷(固体)から水、水から水蒸気(気体)、各々の状態変化の時には熱が必要とします。ガスバーナーなどの熱源がない場合は、周りの温度を下げながら状態変化していきます。物質が変化する場合(状態変化、化学変化)、大抵熱の出入りを伴うのです。

物質が水に溶ける場合も熱の出入りがあります。
例えば、塩酸を水で希釈する場合は温度が上昇してきます。熱を出しながら反応を続けているのです。一方氷に食塩を混合した場合は、初め周りの熱を奪いながら氷が水となります。この溶けた水に食塩が溶けて、また周りの熱を奪う。この状態が持続することによって、温度が-21.3℃まで下がるのです。

このような物質を寒剤と言います。氷と食塩の割合が100:33の場合に一番温度が下がります。
もっと温度を下げる組み合わせは、氷100に対して塩化カルシウム143の場合、なんと-50℃にもなります。

どうして熱を奪ったり、逆に出したりするのでしょうか。知りたいでしょうね。この先は高校化学でしっかり学んでください。(「東京法令出版:理科教室」参照)