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理科の話

すべての生物が海から生まれたのは、なぜ?

その答えは簡単さ、だって生命が誕生した当時の地球の大気には酸素がなかったからです、と自信満々に答えるよね。だって、呼吸できないところでは生物は住めないからね。

約46億年前に小さな惑星が衝突を繰り返し、その塊が徐々に大きくなり地球となりました。そのため当時の地球は、衝突のエネルギーで岩石が溶けマグマの海で覆われていたと推測されています。あまりに高温のため、水は全て水蒸気に変わり、大気は二酸化炭素と水蒸気で満ちていました。だから、生命が誕生した約38億年前は、まだ大気中は二酸化炭素と水蒸気で満ちていて酸素がなかったと言われています。酸素がないとすべての生物は呼吸ができないために生きることはできませんね。だから地上では生きられなかった、と考えてもよさそうですね。

しかし、酸素が全くない環境で生きる多細胞生物が見つかっているのです。その生物の住む場所は地中海にある高濃度塩水の湖、いわゆる塩湖。あまりにも塩水が濃いために酸素を含んだ水と一切混ざることがありません。この生物の細胞には酸素をエネルギーとして使うミトコンドリア(細胞器官)が存在せず、代わりにとても優秀なヒドロゲノソームがあり、酸素がない環境でも細胞器官が酸素ありで生活する動物と同じような役割を果たすことができると考えられています。酸素のいらない細胞を作ることができたら宇宙で生活が可能になってきますね。

ではどうして地上には生物がすめなかったのでしょう?
地球の大気中には酸素が存在しないと、酸素から形成されるオゾン層ができません。そのため、太陽からやってくる紫外線は非常に強烈でした。紫外線には化学変化を起こさせる力があり、生命体を分解してしまうほどの有害なものです。だから紫外線が弱まる水中で初めての生物が誕生して、進化・発展していったのです。

今はオゾン層があるので紫外線から守られているから大丈夫と思って油断しては行けなせんね。
オゾン層も以前より薄くなったり、カバーしている面積が狭くなったりして、紫外線を防ぐ能力は以前より小さくなってきているからです。皆さんで協力して、これ以上オゾン層を弱めないように工夫したいものですね。(「東京法令出版:理科教室」参照)